バイオフィードバック療法

科学が大きく発達し、様々な病気の正体や治療法が解明されてきました。医師や医療従事者でなくとも、本や雑誌、健康番組などから医学的知識を簡単に得ることが出来ます。

「こういう症状があればこの病気が疑われる」や「この病気にはこういう治療法がある」等々…。

肉体の年齢を測る生理学的な基準

要注意なのは、これらの情報はすべて”単純化”されているという事。症状がおなじでも同じ病気とは限りませんし、一般的には「高血圧」でも健康には全く問題ないことだってあります。それどころか、血圧と寿命の関係については専門家の間でもまだ意見が分かれていて、血圧を下げることに効果があるかどうかさえ意見が別れています。

更に言えば、肉体の年齢を測る生理学的な基準というものも存在しません。つまり、現代の科学をもってしても、その人の実際の年齢を知らなければ科学的に年齢を知ることは出来ないのです。

”基準”の信憑性

一方で、血圧という数字はとても客観的に見えます。上の血圧が140~159mmHgは軽い高血圧で160~179mmHgは中度の高血圧、180mmHg以上になると重度の高血圧、などと言われると絶対的な基準のように思えてしまいます。

「カロリー」という基準も曲者です。一個275kcalのショートケーキを食べてもすべての人が275kcal吸収するわけではありません。

カロリーを吸収する量は消化器官に生息する微生物の数や働きによって決まるため、個人差があるのです。食事一回の違いはそれ程大きくはありませんが、長い目で見たエネルギー収支には大きな差が生まれることでしょう。主に体重として。

健康的な生活

これは肥満とは別の問題です。永年、太り過ぎは心の問題だと思われてきました。「意志が弱いから太るんだ!」といった具合に。今では遺伝の観点から肥満の研究が進み、意志の力以外にも、どうやら50以上の遺伝子が、個人の食事量や運動量、カロリー燃焼の効率などに関わっているらしい事がわかりました。

「絶対」はない!

米国の心理学者・リチャード・C・アトキンソン教授の研究によると、肥満の被験者の30%がアデノウィルスという自覚症状がほとんど無い、軽い病気(鼻風邪や胃腸炎等)の原因になるウィルスに対して抗体を持っていることがわかりました。

痩せ形の被験者のうち、この抗体を持っていたのはわずか11%。全体的にこの抗体を持っている人はもっていない人より体重が大幅に重くなっていました。結局のところ、体重が増える原因は一般に考えられているほど単純でなく、どういう原因で太るかは人によって違うのかもしれません。

人間について考えるとき、「絶対」ということはありません。「必ずそうなる!」ということも「絶対にそうならない!」と言えることもめったにないのです。

自分の身体は自分が一番よく知っている

現代に生きる私たちは何でも医学的に考えようとします。例えば、睡眠不足と言わずに「不眠症」、「悲しい」と言わずに「抑うつ状態」と言ってみたり。とにかく、ちょっとでも変わったことがあると、もっともらしい病名をつけることですべてを説明したような気になってしまうのです。もし病院に駆け込んで医師にこれらの症状を訴えようものなら、相談した数だけ薬を処方されるのがオチです。

なにも、医学は間違っているとか医師が役に立たないと言っているのではありません。

もちろん、一般的な健康に関しては、医師の方がよく知っています。それは間違いありませんが、自分の身体に関しては自分が一番よく知っている、というのも同じくらい間違いない話です。一人ひとりの個人である私たちは医学の常識に当てはまらないことも十分にある、という事を知っておくべきです。

自分の身体に無頓着でなく、普段から健康について学びながら自分の健康に気を配るようにしたいものです。

身体の声に耳を澄ますのです。

イェール大学のニール・E・ミラー教授が、それまでの科学の常識を覆すような説を提唱しています。血圧や脈拍などの人間に不随意の活動を調整するため、24時間休みなく働く自律神経を訓練によって自由にコントロールし、それによって循環器、消化器、呼吸器などの乱れ、不調を整えるという試みがそれで、バイオフィードバック(Biofeedback)と呼ばれています。

そしてこのバイオフィードバックという手法を何らかの疾患に適用して治療を試みるのがバイオフィードバック療法です。

簡単に言うと、センサーなどの機械を使って、脈拍や血圧などの数値の変化を目で見て確認し、その情報をもとにリラックス状態など体の状態を希望する方向へ導くトレーニングを行います。

効果的に訓練すればさまざまな生理現象を自分でコントロールできるという、俄かには信じがたい理論ですが、アメリカではバイオフィードバックの訓練機器がFDA(Food and Drug Administration)により認可され、一般に販売されています。

薬物療法では治療困難な不整脈、頭痛、生理機能異常や整脈や自律神経失調症、喘息などの慢性疾患、疼痛管理やストレス管理などにも有効です。投薬による副作用や手術に伴うリスクはまったくないので、どんな人にも第一選択としてお勧めできる治療法といえます。

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