癌治療は無意味!と断言する孤高の医師

国民の2人に1人が癌

今や国民の2人に1人が癌に罹る時代です。

もし、自分がそうなった時、どこの医療機関でどんな治療法を選ぶのがベストか?明確に答えられる人はそういませんし、こればかりは他人の判断に任せて丸投げするわけにもいきません。

『治療をしない選択』を推奨する異端の医師がいます。

近藤誠氏。慶応大学医学部を医学部を首席で卒業し、慶應大学病院放射線科専任講師を経て、現在は近藤誠がん研究所セカンドオピニオン外来の所長でもあります。

彼の在職当時、慶応大学病院の放射線科病棟には末期癌患者ばかりが入院していました。かつては日本一抗癌剤を使っていたという近藤医師ですが、他の医師達も弱って歩けなくなった癌患者にせっせと抗癌剤を投与していました。すると大抵の人が数日で亡くなってしまいます。

抗癌剤が生命を縮めている!?

近藤医師は「抗癌剤で生命を縮めているな?!」と直感しました。放射線科の医師でもあった彼は放射線が原因の発癌にも気づきます。治した、と思っていても、後年、照射部位に発癌して落命するケースが何件も生じました。

外科手術

それらの経験や先駆者の論文から得られた知識を総合し、彼が辿り着いた結論は検診で発見された肺癌、前立腺癌、子宮頸癌などの早期の癌では、手術はもちろん放射線治療もしない方が安全に長生きできる、という俄かには信じがたいものでした。

1996年3月に文藝春秋から上梓された氏の記念碑的著作である『患者よ、がんと闘うな』はベストセラーとなり、その後に出版された多くの著作と共に多くの患者やその家族に支持されてきました。

それらの主張に一貫するのは「早期発見、早期治療は無意味!」、「無駄な手術はするな!」「抗癌剤は百害あって一利なし!」、「癌は結局放置するのが一番!」という癌の3大治療(手術・抗癌剤・放射線)を真っ向から否定するものでした。

当然、各所から近藤批判が巻き起こり、近藤理論に対する否定本も次々出版されました。

究極の論争『がんは治療か、放置か』

それならと、これらの近藤批判を続ける学会の権威達や否定本の著者達30人以上の人々へ、近藤医師は何度も討論を呼び掛けてきましたが、いざ面と向かっての直接対決になると誰もが尻込みして逃げてしまう始末。

そんな中、勇敢にもたった一人だけ直接対決を受けて立った医師がいます。

東京女子医科大学病院のがんセンター長であり、同大学の緩和ケア科の教授も務める林和彦医師です。この対談は毎日新聞出版から『がんは治療か、放置か究極対決』としてまとめられていますので興味のある方はご一読ください。

いくつか拾ってみますと、抗癌剤で微小な癌細胞の転移を抑制できるという林医師に対して近藤医師は、大腸癌肝転移の切除手術を受け、更に抗がん剤治療を受けるグループと受けないグループでの生存率にまったく違いがなく、抗癌剤治療の効果が否定されたという海外の比較試験を示して反論しました。

リード・タイム・バイアスとは

また、化学療法を推進する医師たちは一方的にその効果を言うだけで、リード・タイム・バイアスの話をしない、という指摘もあります。リード・タイム・バイアスとはCT装置がなかったか、あっても性能が低かった数十年前と比較した時に生じる見かけ上の延長分のことで、小さい転移がどんどん見つかるようになった今日、生存期間が伸びたように見えるのは、リード・タイム・バイアスで説明できます。

健診

さらに生存期間自体にもインチキしやすいという問題があって、転移癌の臨床試験では抗癌剤治療やその後の定期診察は研究機関の外来で実施されることがほとんどですが、実際に転移癌の患者が亡くなるのは自宅やホスピスです。つまり、たとえ被験者が亡くなっても研究機関に残されているデータ上は被験者は最後の来院時に生きていたものとして処理されるため、生死調査の手を抜けば抜くほど生存率が高くなるという背理があるのです。

加えて製薬会社から研究費をもらっている医者が、癌の新薬開発の治験や抗癌剤の効果を調べる臨床試験に関わり、製薬会社のために研究して論文を発表するというのは、珍しい事でもなんでもないのです。

これは個人的感想ですが、終始近藤医師が優位に議論を展開しており、林医師は防戦一方でやや苦し気な所も散見されました。

近藤医師はこう述べています。

医者として四十数年、目の前の患者さんが”いかに健やかに、安全に長生きできるか”を追求してきました。僕に出来ることは正しい情報提供です。

中略

僕のセカンドオピニオン外来でも診断がついてからやって来る人と診断がつく前にやって来る人がいます。診断のついてない人には細胞診の危険性について説明しますが、いずれにせよ”治療は無意味”というのが僕の基本的な考え方です。例えば2㎝くらいの大きさでも80億個くらいの癌細胞がつまっているわけです。

その場合、10~20%くらいの人たちに目に見えない転移が潜んでいます。転移があれば治ることがないので治療は無意味。逆に、転移が潜んでいなければ今後も転移することはありませんから、治療の必要はないんです。

近藤誠がん研究所セカンドオピニオン外来

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