態度や心の持ち方が憂うつや強迫観念の症状を改善した実例

『いかなる問題も、それをつくりだした同じ意識によって解決する事は出来ない』

20世紀で最も優れた科学者であり、卓越した人間性で世界を魅了したアルバート・アインシュタイン博士の言葉です。

意識の変革

個人的な問題にしろ社会的な課題にしろ意識の変革なしには解決できません。

「犬をしつけるか、しつけないかという選択は出来ない。犬をしつけるか、でなければ犬にしつけられるかのどちらかだ」と言った人がいます。

どれだけ刑務所の塀を高くしても犯罪は無くならないし、いくら大学への進学率が上がっても人や社会が賢くなったようにも見えません。

意識を変える必要があるのは明らかですが、それは口で言うほど簡単な事でしょうか?

変革

今や脳科学、精神医学、心理学など様々な分野から人間の心や意識の謎が解明されようとしています。

人間の脳は進化の最高傑作であり、心はそれを操る最高に複雑なプロセスです。脳に張り巡らされた回路は使い方次第で良い結果も悪い結果も、喜びも悲しみも引き起こします。

内面がポジティブであれば外の世界においてもきっとポジティブな結果を手繰り寄せることが出来るはずです。

「精神と生命研究所」

チベット仏教における最高位の指導者であり、ノーベル平和賞の受賞者でもあるダライ・ラマ14世は脳科学、宇宙物理学、量子力学など幅広い分野の一流の科学者と協力して「精神と生命研究所」を設立しました。

この機関は仏教徒と科学者が協力して人間の本質や善と悪、世界中の不和の根源にある破壊的感情や誤解を払拭するために知恵を出し合い、お互いが実りある研究成果を出すことを目的にしています。

その対話集会でダライ・ラマは必ずと言っていいほど科学者に尋ねる質問があります。

「心は脳を変えることが出来るだろうか?」

代替医療

重要な問いかけ

これは、非常に重要な問いかけです。もしも「変えられない!」がその答えであれば、人生の経験の大部分は生まれ持った脳の神経回路の配列次第で決定される事になり、人生の可能性は著しく限定されることになります。

実際、このダライ・ラマの質問に「NO!」と答える脳科学者が多く、彼らによると一度決められた脳の構造は絶対に変わらないし、大勢の脳科学者は脳が生き方も人格をも決定していると信じています。

例えば遺伝子や家庭環境の恩恵が少なく、小さいころから愛情を注がれることが少なかった子供、ガミガミと小言ばかりを繰り返す親の不機嫌な顔、心配性でネガティブな傾向が強くいつも不安そうな表情、不幸にもそんな親の影響を濃く受けて幼少期を過ごした子供には、やはりネガティブ傾向の強い脳回路が出来上がり、憂うつや強迫観念などの負の遺産を生涯にわたって背負い込むことになる、と信じているのです。

まさに”お先真っ暗”。

脳の構造は変えられるか

脳の構造は変わらないと信じている脳科学者が心理学やスピリチュアリティーを軽んじるのは当然です。

心は脳の所産であり脳の仕組みが変わらない以上、人間としての成長や自己変革を目的とする心理学やスピリチュアリティーの入り込む余地はありません。

そんな脳科学の定説を覆したのはプリンストン大学のエリザベス・グールドやイエーテボリ大学のピーター・エリクソンら新進の脳科学者たちです。

彼らが実験によって明らかにしたのは、脳は新しい能力を強化するために皮質の様々な部位を作り変えることが可能である事、脳の神経回路は経験に応じて変化し続けること、海馬は新しいニューロンを生涯作り続ける能力がある事などです。

脳は心からの指示に反応する

1990年代には脳は心からの指示にきちんと反応することが明らかにされました。

これらはどれくらい重要な意味をもつのでしょうか?

脳科学でいう「神経の可塑性」と言われる現象があります。外からの刺激などによって神経系が機能的、構造的な変化を起こす性質のことです。

ハーバード大学の脳科学者アルヴァロ・パスカル・レオーネ博士は1995年にこの事実を実験で証明して見せます。

ピアノ

まず実験では被験者に毎日2時間づつ5日間ピアノを練習してもらいます。5日目には指の細やかな動きをつかさどる運動皮質が大きく拡大していました。これが神経の可塑性と云われる性質です。

これと同時にもう一つの被験者グループ、こちらの人たちには実際に指を動かさず、ただ指の動きだけを頭の中で想像しながら、簡単な曲を練習してもらいます。

結果、驚くべきことに頭の中で練習するだけでも、実際にピアノを弾いて練習した被験者と同じように運動皮質の拡大が見られたのです。

強迫神経症を克服するために

想像するだけで脳は進化する、つまり神経の可塑性を上手く利用すれば精神的な病気で悩む人、慢性的なうつ病や強迫神経症(OCD)に悩んでいる人の日常に大きな変化が訪れるかもしれません。

UCLAのジェフリー・シュワルツ博士は強迫神経症の神経回路を修正することが可能な事、そのための重要な鍵は”態度”にあるという事を突き止めました。

強迫神経症の患者は罪や失敗に対する感受性をつかさどる眼窩前頭皮質が異常に活発です。このため、「何かが間違っている!」という思いが常に付きまといます。

出かける前に一度確認したにもかかわらず、本当にストーブは消したか?鍵をかけ忘れていないか?心配で途中から引き返します。

不安の回路です。

そんな強迫観念が自分で頭の中に作り出しているとは考えることが出来ません。思いもしないのです。

シュワルツ博士の実験中、18人の被験者は薬を服用しません。代わりに活動過多になっている脳の部位をPET(放射断層撮影法)で確認させ、あなたは脳の回路がおかしいから病気になったのだと教えられます。

セラピーグループも脳の機能障害から強い衝動が現れることを被験者に納得できるようにサポートします。

被験者は自分の強迫的な考えや興奮を可能な限り冷静に判断したうえで自分自身に語りかけます。健康

これは本当の私ではない

「これは私ではない。私の脳が勝手に強迫観念を作り出した。実体なんてありはしない。」

病気は脳の異常にすぎないという事を患者自身が納得すると、自分の意思で症状をコントロール出来る!という自信が生まれ病気に振り回されることがなくなりました。

一週間後、PETスキャンで脳を確認すると18人の患者のうち12人で眼窩前頭皮質の活動過多が飛躍的に改善されていることが確認されました。

このアプローチはうつ病にも効果があります。

人の態度や心の持ち方が症状を改善した実例です。

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