エボラウィルス突然変異の可能性 日本上陸はあるのか

スポンサーリンク
レクタングル広告

CDC(アメリカ疾病予防センター)125人を監視対象

アメリカ初となるエボラウィルス感染者で、8日に死亡したリベリア人男性トーマス・エリック・ダンカンさんと(接触した11人)と(接触の可能性がある114人)の合わせて125人がCDC(アメリカ疾病予防センター)の監視対象者となっています。

内75人は医療従事者で、テキサス州ダラスのテキサス・ヘルス・プレスビテリアン病院に入院していたダンカンさんの治療に当たっていました。

エボラウィルス

既に二次感染が確認されている担当看護師の1人ニナ・ファム(26)さんのほかに、もう1人の感染者が出ました。

一部の情報によると院内感染の予防対策に不備があった、充分でなかった、という話も聞かれます。

これは同病院の複数の看護師からの聞き取り調査で明らかになりました。

ずさんな管理 看護師らが告発

この告発によると、9月28日、激しい嘔吐と下痢の症状を訴え、病院に収容されたダンカンさんを救急治療室に数時間放置、その間に

「少なくとも7人の患者が同じエリアにいた。」

「担当看護師に支給された防護服は首の部分がカバーされていなかった。」

「感染した看護師は防護手順を守らなかったと批判されたが、手順そのものが存在しなかった」

などが指摘されました。

エボラウィルスに対する世界的な危機意識が日々高まる中、最新の医療設備を整え、患者、病院スタッフの安全を最優先し、統一的な感染予防措置を徹底させなければならない筈の医療機関にして、ごく初歩的なミスで二次感染を起こしてしまった事実は重大な意味を持ちます。

「どこか」で起こったことは「ここ」でも起こり得ることを意味するからです。

幸いにも現在、ニナ・ファムさんの容態は安定していて、ケント・ブラントリーさんというエボラ出血熱から回復した方から輸血を受けているということです。

どこまで感染が拡大するのか

今後気になるのはやはり、どこまで感染が拡大するのか、という事とエボラウィルスの突然変異などによる感染力の強化、とりわけ空気感染等のような被害をより悪化・拡大させる事態への懸念です。

エボラ

ウィルスの変異について考えて見ましょう。

これは遺伝子レベルでの作用になります。

人はDNA(デオキシリボ核酸)といわれる遺伝物質を持っていますが、ウィルスの場合はDNA遺伝子を持つパターンとRNA(リボ核酸)遺伝子を持つパターンに分かれます。

エボラウィルスの遺伝子はRNA遺伝子です。DNAとRNA、両者の違いはその安定性にあります。

突然変異の可能性

突然変異とは遺伝情報の複製時におけるコピーミスや紫外線、化学物質による情報破壊などによって引き起こされます。

DNAであればこのような損傷を受けた場合、様々な種類の修復酵素がほとんど即座に損傷部位を認識し、その損傷部位を切断、更にその隙間を埋める酵素、最後に切断された両端を結びつける働きをする酵素という具合に、まるで精巧な分子版の切り貼り細工をみているかのように見事に連携して修復されます。

ところが、RNAにはこのような修復機能を持っていません。

それに複製された遺伝情報が正しいかどうかを判断するチェック機能がそもそも存在しないのです。

その結果ウィルスの遺伝情報複製の過程で突然変異の発生する確率が非常に高くなります。むしろ、RNAウィルスとは増殖と変異を頻繁に繰り返すのが特徴だ、ともいえます。

エボラ宿主

しかし、ウィルスにとっても宿主がいなくなることは自らの自滅を意味するわけですから、今後数十年の流れの中では宿主を生かしつつ自らも生き延びる道を探していくと思われます。

かつてはHIVウィルスに感染した人のほとんどがエイズを発症して命を落としましたが、最近は人から人に感染を繰り返すうちに増殖も緩やかになり、症状も穏やかになりつつあるようです。

インテグラーゼ阻害薬などの抗ウィルス薬の進歩でもあり、専門医の間では治療で管理できる「慢性感染症」と捉えられるようになってきました。

といって、これは決して楽観視しているのではありません。

エイズはこの数十年で2000万人以上の人が命を落としていますし、抗HIV薬で出来るのは体内のウイルスの増殖を抑えてエイズの発症を防ぐところ迄です。

日本上陸は その時に向けた対応は

今現在、エボラウィルスは致死率50%のエボラスーダンから90%という恐るべき致死率のエボラザイールまで5種類が確認されています。

今後しばらくエボラウィルスは感染力を強化する形で変異していくと思われますし、更に日本の感染症対応も気になります。

WHO(世界保健機関)が定めた、ウィルス危険度を示す世界基準の指標である「バイオセーフティーレベル(BSL)」における最高レベル「BSL4」に対応することが出来る施設が、国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)と理化学研究所バイオリソースセンター(茨城県つくば市)に整えられましたが、地域住民の同意が得られない、などの理由から実質「感染の有無を調べるのが精一杯」なのです。

明日にでも日本上陸の可能性を議論し、国内での感染者発生を想定して、初動対応と防護措置を整えておかなければ、いざというときに間に合わないでしょう。

スポンサーリンク
レクタングル広告
レクタングル広告

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする