糖質制限食とは
近年、血糖値をあげないための食事として「糖質制限食」に目が向けられています。
血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)は食品中の栄養素である「糖質」に強く影響されます。
糖質の多い食品の代表的なものは、主食である白米やパンの原料である小麦の他にも、とうもろこし、ジャガイモ、サツマイモなどです。
果物全般などにも、割と糖質が含まれています。

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これら糖質の多い食品を出来るだけ避けて、たんぱく質、脂質をメインにした食事が「糖質制限食」です。
どんな食物にも含まれる糖質
生命を維持するための最低限のエネルギーである「基礎代謝」は年齢と共に、どんどん下がっていきます。
という事は若く活発な時と同じ習慣、同じ食生活を続けていると、当然カロリーオーバーになってしまうという事です。
栄養のバランスに気を配りながら糖質は制限するべきです。
安心してください。どんな食事にも糖質は含まれるので、糖質不足になることはありません。
諸説ありますが、糖質制限食の1食の糖質の目安が20g。ちなみにご飯1杯の糖質が約50gです。
ドロドロ血液は万病の元
カロリーオーバーはドロドロ血液の元です。
糖質をたくさん摂れば、確実に血糖は高くなります。
高い血糖は身体を傷つけ、さまざまな身体の不調や老化、将来の生活習慣病へのリスクを高めます。
もともと糖質制限食は、糖尿病の治療や減量のために導入されたものです。
すると、視力や眼精疲労の改善や、腰痛が解消した、頭痛や偏頭痛の改善、食後の眠気がなくなった、味覚が敏感になったなど、様々な体調の改善が見られることが分かってきました。
インスリンを分解してくれる酵素(IDE)の働き
人類には、永い飢餓の歴史があり、むしろ空腹、低カロリーの状態が普通でした。
低カロリーで自然と健康を維持できるようになっています。
人の身体には、血糖を上げるホルモンが数種類備わっていますが、血糖を下げるホルモンはインスリンだけです。
インスリンは血糖の上昇に応じて分泌されますが、これが過剰に分泌されると低血糖(禁断症状)や体脂肪の増加、肥満につながります。
そのため、インスリンを分解してくれる酵素(IDE)の働きが重要になります。
血糖値と認知症の意外な関係
この酵素は、認知症の原因となる成分である、アミロイドβを分解する働きもあります。
そのため、インスリンが過剰に分泌されると、その分解のため、アミロイドβの分解に手が回らなくなり、将来の認知症のリスクが高まる、という説もあります。
血糖値と認知症の意外な関係です。
もっとも、IDEの働きを阻害することで体内にインスリンを長くとどめ、血糖値を下げる事を目的とする糖尿病治療薬もありますから、問題は更に複雑です。
いずれにせよ、血糖の急激な上がり下がりを抑えるべきです。
糖質を摂らなくても血糖を一定に保つ身体の働き(糖新生)によって人は糖質を制限したほうが血糖が安定するのです。
高すぎる血糖も、低すぎる血糖も身体の正常な働きを妨げ、ダメージを与えていきます。
インスリンを使いすぎないためにも、出来るだけ一定に保つことを心がけましょう。