SRM(続発性習慣流産)や不育症について

流産を経験する女性は意外に多く、妊娠の約10~15%、40歳以上の妊娠の20%の確率で起こりえる事がわかっています。

また、それほど多くはありませんが2回以上続けて流産を経験してしまう習慣流産や不育症では何らかの異常が疑われる為、専門医の検査を受け適切な治療をすることが不可欠です。

妊婦さん

SRM(続発性習慣流産)

なぜ、何度も流産する女性がいるのか?その理由を説明する理論はいくつかあります。

スペイン・マドリッドで開かれた受胎医学の専門家の国際会議で、”第一子に男の子を産んだ女性は女の子を産んだ女性よりも、のちのち流産しやすい”という研究結果が発表されました。

また、コペンハーゲン国立病院の産婦人科医オレ・クリスチャンセンは1986年から2000年までの14年間で204人のSRM(続発性習慣流産)患者を調査し、治療後の妊娠の結果を調べました。

それによると最初の妊娠で男の子を産んだ母親の中で第二子を無事に出産したのは54.4%。一方、第一子が女の子だった母親では73%が無事に出産しています。

更に、少なくとも50人が最初に男の子を産んだ後、第二子が生まれなかったが、最初に女の子を産んでその後第二子が生まれなかった母親は20人程でした。

”鍵”は免疫システムの反応

その後、クリスチャンセン医師はヨーロッパ生殖学会の年次総会で講演し、男の子を産むことは多くの母親にとって産科的な合併症を誘発しかねないリスクがあるという意味において”前兆的なネガティブ要因”であると指摘しました。

医師によると男の子の胎児に対する女性の免疫システムの反応の仕方に”鍵”があるようです。

後で詳しく説明しますが、胎盤が作られていく過程での母親側の免疫反応による”拒絶”が関係しているかも知れないのです。

子宮という”生命のゆりかご”

子宮という”生命のゆりかご”は4300種の哺乳類だけが持つ保育器官です。

卵という形で子孫を残し、すべての栄養を卵黄に頼るしかない生物と哺乳類とのこれは大きな違いです。

子宮のおかげで子孫が十分に発育するまで胎内で栄養を与え、保護し続けることが可能になりました。

約1億8000万年前に起こったこの変化(卵生生物→胎生生物)は脊椎動物の進化の歴史において最も大きな進化と言えるでしょう。

赤ちゃんの手

胎盤を成長させるのは胎児の役割

これは胎児にとっても大きな利益であり、現に胎盤を成長させるのは胎児の役割です。

胎盤はまるで母親の組織を侵略していくように形作られていきます。胎盤の血管は太く丈夫であるため大量の血が流れ込みます。

胎盤は血液中にインスリンを分泌し、これによって母親はさらに多くの糖を血中に放出するため胎児は糖分に富んだ血液を十分に獲得することができます。

この過程で支配的な働きをするのは父親由来の遺伝子です。

つまり、この過程で何らかの対抗的反応をおこす女性がいても不思議ではなく、更に男児を身ごもった時に胎盤の表面にあらわれる組織タイプに対して免疫学的な反応を起こしてしまうのではないかと言います。

効果的な治療法

最初の妊娠の場合、多くは臨月まで進みますが、これは母親の免疫システムが男性の組織に反応する前に無事に胎児が成長するためだと考えられています。

男児を妊娠することは女児の妊娠にくらべて産科的な合併症のリスクが高いことは昔から言われています。

医師はこうした合併症が、男性特有の抗原に対する免疫化に関係しているかどうかを明らかにすることで効果的な治療法を開発することが出来ると語っています。

効果的な治療法とはつまり、臓器移植を受けた患者の拒絶反応を抑える治療と同じように免疫反応を弱めることで拒絶反応、すなわち”流産”の可能性を少なくする、というものです。

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