「汝の食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ」医食同源の教え

「汝の食事を薬とし、汝の薬は食事とせよ」

古代ギリシャの医師、ヒポクラテスの言葉です。

現代人の風潮として、食事で足りない栄養素を栄養補助食品という名で売られているサプリメントなどで補います。

「この一錠にアーモンド10個分のビタミンE!」。

確かにビタミンEだけを分析すれば嘘はないでしょう。もっとも、最近はそれさえ怪しい商品もあるようですが・・・。

しかし、アーモンドの成分はビタミンEだけではありません。むしろ生体に有効なのは分析値には出てこない有機酸までを含めたトータルの成分なのです。

栄養価

科学や化学の発達とともに人は、植物から単独の有効成分だけを取り出して用いるようになりました。しかもこれらの有効成分を合成してつくられたものには重大な欠陥が潜んでいることが経験的に分かっています。

栄養素は丸ごとの食材から摂ることが理想です。そこには主となる有効成分ばかりでなく、主成分の作用をバランスさせる副次的な成分が含まれています。それらが、いわば触媒のように作用して主成分の吸収と同化を助け、栄養価の身体への作用を高め、時に和らげ、最善の形でで細胞の隅々へと必要な物が行き渡る手助けとなるのです。

先のヒポクラテスの箴言もその辺りの機微を教えているものでしょう。

【 胃 の 調 子 が悪 い時 】

ミョウガ

中国原産で、ショウガ科の多年草。正倉院文書にも「茗荷」として記載がある程、古くから消化促進の妙薬として知られる。

パセリ

パセリ特有の香りはピネンなどの精油成分によるもので殺菌作用で食中毒を防ぐのに役立つ。げんに、ヨーロッパでは紀元前から栽培され、食中毒の薬草として必ず宴席に供された。

腸内で肉や脂肪の腐敗、消化不良を防いでくれる。

シソ

大葉とも。シソにはビタミンC、B群や鉄、燐などのミネラルが豊富。特にカロテンとカルシウムは突出している。

シソの効用は古くから知られ、『本草綱目』では「温にして毒なし。肌を解し表を発し、風寒を散じて気をめぐらし、肺を利して血を和し、痛を止め喘を定め」と述べられる程、多くの効能を持つ。シソの防腐力は食中毒の予防に効果大。

トウガラシ

よく熟れた実にはビタミンCが豊富に含まれる。辛味成分のカプサイシンには優れた薬効があり古くから利用されてきた。食欲増進や殺菌効果が有名。大量に摂り過ぎると胃壁を荒らすので要注意。

ウメボシ

バラ科の小高木。日本最古の医書『医心方』に”梅は三毒を断つ”とある。すなわち、「食中毒」、「日射病」、「水当たり」の事。未熟な梅はむしろ有害だが、”梅干し”や”梅酒”に加工されたものには驚くほどの有効成分が含まれる。

【 お 腹の 調 子 が悪い 】

ヤマイモ

ヤマイモには粘液質のムチン、ジアスターゼ、マンニット、コリン、アルギニン、アミノ酸、サボニンなどの糖質分解酵素や解毒作用のある成分などが含まれる。

イモ類で生食できるのはヤマイモだけであり、消化酵素の働きを期待するためにも、すりおろして食すのがオススメ。

ネギ

ユリ科の多年草。生のネギ特有の刺激臭と辛味は硫化アリルの一種であるアリシンによるもので、ニンニクやタマネギ、ニラなどと同じように胃液の分泌を促し、食欲を増進させる働きがある。

シュンギク

キク科の一年草。独特の芳香はαピネン、ベンズアルデヒドなど10種類の物質で構成されている。この香りは自律神経に作用し、胃腸の働きを高めることに一役買ってくれる。

オクラ

オクラのぬめりの正体はガラクタン、アラバン、ペクチンなどの食物繊維とムチンという糖蛋白質のため。これらの成分には整腸作用の他にコレステロールを減らす働きもあり、特にペクチンは血糖値の急上昇を抑える働きがある。

サツマイモ

炭水化物の代謝を促すビタミンB¹や美容に欠かせないC、E、不溶性セルロースなどの食物繊維も豊富。セルロースは吸水性が高く便秘に効果的。サツマイモは大腸癌の予防にも最適。

【 湿 疹・肌 荒 れ 】

ビワ

ビワにはビタミンAの素になるβカロテンが豊富に含まれる。更にビタミンCも含むため相乗効果で粘膜や皮膚を保護したり、抗酸化と免疫力を強める働きがある。

ニンジン

ビワと同様、体内でビタミンAに変わるβカロテンが豊富。緑黄色野菜のβカロテンは吸収された後、必要に応じてビタミンAに変わるため、過剰摂取で起こる頭痛や吐き気などの症状の心配もない。

ニンジンのβカロテンはすい臓癌や肺癌にも効果があるうえ、カリウムや食物繊維も多く、血圧の安定や整腸効果も期待できる。

ハトムギ

ハトムギには体内の水分や血液の代謝を促し体内に溜まった老廃物を排出する働きがある。ハトムギを粉にして水で練ったものをニキビや吹き出物につけると効果がある。

ハトムギを日本酒につけたローションには洗顔効果がある。

【 風 邪 気 味の 時 】

ニラ

中国に古くから伝わる『名医別録』には”五臓を安んじ胃中の熱を除く。病人に利あり云々”として病人食として勧める記述がある。ビタミンAの働きで抗酸化力があり、免疫力を高めるため夏バテや風邪をひきやすい人にもオススメ。

ネギ

ネギに含まれる硫化アリルには血行を良くして発汗を促す効果があるので古くから風邪の民間薬として用いられてきた。

悪寒はないが頭痛がするときなど、ネギの白い部分とショウガ一片を刻んで500㏄程の水に入れ弱火で半量に煎じたものを服すると即効がある。

ショウガ

『本草綱目』に”百邪をよく防御する”として紹介されている生姜。

風邪の引きはじめには生姜湯がオススメ。そのまま温かくして床に就けば寝つきもよく、汗をかいて翌朝すっきり目が覚める。

ニンニク

世界中で重用される元気の源。抗体や赤血球を作るのに欠かせないビタミンB⁶や抗酸化力の強い微量ミネラルのセレンも含まれ、幅広い健康効果が知られる。

但し、食べ過ぎは要注意。アリシンの作用で有効な腸内細菌まで殺してしまったり赤血球を溶かして貧血になるなどの逆効果の例もある。

【 貧 血 の 傾 向 】

ホウレンソウ

ビタミンA、C、Eといった抗酸化力の高い成分をこれほど多く含む食材は見当らない。ビタミンB群が栄養素の代謝を助け、食物繊維が有害物を体外に排出する手助けをしてくれる。

造血作用のある鉄分や葉酸の含有も多いため、貧血気味の人や妊婦さんにも欠かせない栄養素の1つ。

アスパラガス

特にグリーンアスパラにはカロテン、ビタミンB群、C、E、カルシウム、鉄、ニコチン酸、アスパラギン酸、ルチン、亜鉛などが含まれ、まさに栄養の宝庫。中でもビタミンB群の葉酸はDNAの合成に働き細胞の発育を促し、赤血球をつくる役割も果たすので貧血の予防に効果大。

パセリ

レモンの約2.5倍のビタミンCを含む。ビタミンCが不足すると血管を保護しているコラーゲンに支障をきたすため、怪我の回復が遅れたり肌トラブルを起こしがちに。歯を磨いて歯ぐきから出血しやすい人は、かなりビタミンC不足。

【 神 経 痛 】

カラシナ

カラシナの種子から「芥子」がとれる。芥子の成分は精油配糖体のシニグリン、酵素のミロシナーゼ、脂肪油など。

芥子を粉末にしてぬるま湯で泥状にし、厚手の布に塗って痛むところに貼る”芥子湿布”は局部の充血を促して、新陳代謝を活発にし、身体の深部の炎症や痛みを鎮めるために用いられる。

シソ

中国原産のシソ科の一年草。奈良時代にはすでに薬用や香辛料として使われてきた。全草に精油があり、リモネン、ピネンなどを含み、発汗、利尿、鎮咳作用の他、神経を安らかにするためにも用いられた。漢方で神経痛に用いられる”香蘇散”などには蘇葉というアカジソの葉を乾燥させた生薬を配合している

ショウガ

先述のように百邪を能く防ぐといわれるほど薬効が高い。少々の打ち身などにはショウガをおろして患部にすり込み、マッサージするだけで効果がある。神経痛やリュウマチにはショウガ200gをスライスして布袋に詰め浴剤にすると良い。

シュンギク

カロテンとビタミンCを多く含む。特にカロテンは緑黄色野菜の中でもトップクラス。100gで一日のビタミンA必要量を満たす。(ビタミンAはカロテンから作られる)

他にもカリウムが豊富で利尿効果と過剰な塩分を体外に排出するので血圧が安定し、むくみがとれる。打撲、捻挫、しもやけなどにもシュンギクのしぼり汁で湿布するとよく効く。

【 頭 痛 】

ウド

漢方では秋に根を掘って三日ほど日干しにしてから陰干しにしたものを「独活」という生薬として利用する。関節痛やリウマチの鎮痛に用いる”独活寄生湯”はこれを利用したもの。

民間薬としても乾燥させたウドを頭痛や歯痛に用いる。ウドの濃い煎じ液をタオルに浸して、打ち身等に湿布する療法もある。

クズ

クズの根の皮を剥いで5㎜平方くらいに細かく刻み、日干しにして生薬にしたものを「葛根」という。成分は主に良質の澱粉とフラボノイド。イソフラボン体には鎮痙、発汗、解熱の効果がある。有名な葛根湯は風邪に限らず、急性胃腸炎、五十肩、頭痛などにも用いられる。

【 肩 こ り 】

トウガラシ

秋に熟した果実を採取し、一週間ほど日干しにしたものを漢方では「蕃淑」といって重用してきた。蕃淑は血液の循環を促し神経痛や腰痛にも用いられた。温ハップする療法もあるが肌の弱い人には不適。トウガラシをエチルアルコールに漬けてチンキ剤として外用するのが良い。

ネギ

ネギの青い部分にはβカロテン、ビタミンC、B¹やミネラルが多い。ネギを常食するだけでもビタミンB¹の吸収が良くなり、体内のエネルギー代謝が活発になるので血行が改善され、筋肉がほぐれるため肩こりがつらい人には効果的。

豊かな食生活とは量ではなく質である事はあきらかです。質の良い食物をバランスよく食べるという暮らしの基本的な営みの何と難しいことか!

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