夏場に急増する細菌による食中毒から身を守るために大切なこと

食中毒予防の基本は、手洗い

春から夏にかけて、気温が30℃を超えて暖かくなってくる時期、ちょうど7~9月にかけて細菌による食中毒が多発します。

予防の基本はまず、手洗い。

食中毒菌に限らず、細菌やウィルスで汚れた手で、自分の鼻や目をこすった時に感染するパターンが一番多いのです。

手洗いは流水で1分間流すよりも、石鹸を使ったほうがより安全ですし、加えてお湯で手洗いすれば更に安全です。

食品の衛生管理は「手洗いに始まり手洗いに終わる!」を心がけて下さい。

代表的な食中毒菌を見ていきましょう。

大腸菌O157:H7株

大腸菌のほとんどは無害ですが、非常に強い毒性と感染力を持つのが腸管出血性大腸菌O157:H7株。

1982年に、アメリカ・オレゴン州などでハンバーガーによる食中毒が発生した時、はじめてO157が原因菌として特定されました。

野菜や飲料水から感染したという報告もあり、原因となる食品が特定しにくいという特徴があります。

熱には弱いため、予防には食品をきちんと加熱することが重要で、食品の中心温度を75℃以上で1分以上加熱する事で死滅させることが出来ます。

感染者の便からも容易に二次感染が起こりますし、菌のいる食品に触れた調理器具から感染が拡がるケースもあります。

調理器具をマメに洗うか、酢に塩を加えたものに10分間漬けておくと死滅します。

サルモネラ菌

サルモネラ菌は典型的な感染型食中毒を引き起こし、腹痛、嘔吐、下痢などの消化器症状や高熱などの症状が表れます。

この菌の増殖に一番適した温度は35~37℃で、夏場の気温がちょうどこれに近いため注意が必要です。

牛肉のたたき、レバ刺し、食肉調理品(特に鶏肉)うなぎ、卵などの食材を十分に加熱しない加工食品は気をつけてください。

特に卵は、殻表面ばかりか内部まで汚染されていることが多いので、割ってから常温で放置しないで、すぐに調理し、しっかり加熱することでかなりの部分が防げるでしょう。

この場合の加熱は中心温度が75℃以上が目安です。

ちなみに美味しいオムレツは、内部が半熟でトロトロの状態ですが、この時の中心温度は61~74℃。

75℃以上で数分間加熱すると、オムレツというより卵焼きになります。念のため。

腸炎ビブリオ

主に海水中に生息する細菌です。

そのため、菌に汚染された魚介類の刺身や寿司に多く含まれ、時間とともに繁殖しますから、調理の前に水道水でよく洗い流しましょう。

魚介類を調理したまな板で、そのままサラダ用の野菜などを切らないように注意しましょう。

この菌も熱に弱いので、60℃以上の熱湯でよく洗い流します。

通常、抗生物質などを使わないでも、数日で回復します。

下痢を伴う症状が現れますが止寫薬(下痢止め)を使うと菌の排出を遅らせることになります。

カンピロバクター

食肉、特に鶏肉に多いのがカンピロバクターです。

一番の予防は生肉を食べないことです。

生肉と他の食品を一緒に保存したり、切った生肉をまな板のうえに置いたまま、生で食べる野菜などを一緒に置くことも危険です。

カンピロバクターは乾燥に弱く、熱にも弱いので予防にはしっかり加熱することです。

食品の中心温度が60℃以上になるようにして、数分間加熱すると良いでしょう。

ウエルシュ菌

毎年の食中毒発生件数でみると、ウエルシュ菌を原因とする事例は全体の2~3%ですが、この菌は河川や下水、土壌中など自然界に広く分布し、そして厄介なことに高温でも死滅しません。

食肉に多いウエルシュ菌は、他の細菌が加熱調理で死滅しても、生き残っているケースがあります。

菌の増殖を防ぐ意味では、調理後、なるべく時間をおかずに食べることが予防につながります。

お惣菜などの加工食品にも同じことが言えます。仕出し弁当や給食でウエルシュ菌による集団食中毒が起きるのは作りおきをしておくためです。

ボツリヌス菌

土壌や海、湖沼などに広く分布しています。

自然界最強の猛毒を持っていて、魚介類、肉類、また、それらの加工食品などにみられます。

嫌気性で空気がなくても繁殖しますので、缶詰や瓶詰めも安心できません。

真空パックや缶詰が膨張していたり、その食品から食品本来の匂い以外の異臭がしたら要注意です。

加熱処理(100℃ー1~2分)でボツリヌス菌自体は死滅しますが、毒素は残るため安心できません。

ネズミやゴキブリが媒介することもあるので「食品を放置しない」「調理器具などの衛生管理」という食中毒予防の大前提を徹底しましょう。

蜂蜜の中に芽胞の形で存在するボツリヌス菌を乳児が摂取すると、乳児の体内で発芽した芽胞が、乳児ボツリヌス症を引き起こすことがわかっています。

これは、成人であれば上部消化管で不活化される菌が乳児では腸管まで届いてしまうために起きるものです。

一歳未満の乳児に蜂蜜を与えるべきではありません。

黄色ブドウ球菌

30%の人の鼻腔や皮膚にいる、いわゆる常在菌です。人以外にも、哺乳類や鳥類にも広く分布します。

化膿性疾患に関連した菌ですが、この菌を持っていても症状が現れない人もいます。

その他、でんぷんを含む食品にも多く見られ、私たちの身の回りにごく普通に存在している菌といえます。

特に多いのがおにぎり。

他に、仕出し弁当や和菓子、シュークリームなども要注意です。

吹き出物や化膿した場所に菌がいることが多いので、手に切り傷がある人や、おできなどが出来ている人は、十分に手洗いし、直接食品に触らないようにしましょう。

黄色ブドウ球菌そのものは62℃の熱で30分加熱することで殺菌できます。

しかし、菌が作り出した毒素が残っている場合、100℃の熱でもなかなか壊れません。

お弁当などの残り物を加熱して食べる場合も注意が必要です。

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