不安が生まれる場所

人間の脳は希望よりも不安を思い描きやすいようです。

試しに、ふと心をよぎった不安をノートに書き出して、実現したものと実現しなかったもののリストを作ってみるといいでしょう。

私たちがいかに日々取り越し苦労に頭を費やしているかが分かるはずです。不安

それでいて私達は「何が幸せか?」についてもはっきりした答えを持たずにいます。

不安や恐怖という見えない檻から出ようとすれば、まず檻があることを見抜かなければなりません。

精神分析の父 精神分析の父ジークムント・フロイト

なぜ人間は無意識のうちに恐怖や不安を感じやすいのか?

オーストリアの精神科医で精神分析の父ジークムント・フロイトは患者の声に耳を傾け、あることに気づきます。

患者自身は自分の行動の動機となっているものを意識していない

ということ。

人は往々にして無意識の動機が意識的な意図と対立するとき、自分が実際に望んでいる事とは正反対の行動をとる事があります。

無意識を理解する

私たちは基本的に動物の脳と同じ原始的な脳を持ち、その周りをすばらしく進化した脳組織が取り囲んでいます。

原始的な脳は何か危険が迫っていないかといつも周りを見張っています。

これはフロイトが言うところの”無意識”に分類される機能です。

もちろん、フロイトの説には賛否(どんな説にも必ずありますが!)があり、常に具体的な証拠を示して欲しいと思う人たち、抽象的な推論では自らを納得させることができない人たちにとってフロイトの説は根拠がなく、現実的基盤にも欠けるのではないか?という強い疑念を抱いています。

しかし、フロイトが「人間の苦しみは、無意識を理解することによって和らげられる」と主張したとき、多くの人は彼の理論を支持しました。

白つめ草

後方マスキング実験

米ハーバード大学のポール・ウェイレン博士の研究チームが行った実験によると、被験者に「不安な表情」をした人の写真を一瞬、見せます。

ごく短時間なので当人は見たことを意識しません。その直後、今度は中立的な表情の写真を見せます。

つまり、実際には2枚の写真を見せているわけですが当の本人は「一枚の写真だけを見た」と思っています。

この実験を”後方マスキング”と呼びます。

被験者が”見た”と思っている中立的な表情の写真は実は「マスクに過ぎない」というわけです。

一方の不安そうな表情の写真を見せる時間は10msec(1msec=1000/1秒)以上30msec未満。意識的な脳は働かない長さです。

にもかかわらず、先程の”原始的な脳”に属する『扁桃体』というアーモンド型をした神経細胞の塊は見事に反応しました。

扁桃体の働き

扁桃体は私たちが先祖から引き継いだ重要な構造の一つで危険が生じる恐れがあるとき、本人がその危険に気付いていなくても必ず反応します。

10msecというほとんど一瞬のうちにそれは起こり、血流が増加し、電気活動が起こり、車輪が回転し始めます。

ここで問題なのは不安は伝播するということ。不安で怯えた表情の写真を見せると(見たことを認識していなくても)、見た本人も不安の反応が起こります。

もし、その表情が写真ではなく本物の人間の表情だったら?

しかも、そんな表情の人々に取り囲まれて生活しているとしたら?

暗い夜道を歩いていて草むらから細長いロープが飛び出していました。脳は蛇だと認識し、あなたはとっさに飛びのくでしょう。

視床からの情報を直接受けた偏桃体は危険から迅速に遠ざかれ!と身体に指令します。

同時に視床は皮質にもメッセージを送っていますが、皮質がこの情報を処理するのには時間がかかります。しかしその分、扁桃体よりも正確に認識することが出来ます。

「なぁんだ、ロープか・・。」かくして皮質は偏桃体を鎮め、身体反応をオフにするのです。

扁桃体が人間の脳の番犬に例えられるのも頷ける話しです。

前向きな思考法を手に入れる

結局、脳は他の仕事をするよりも危険に反応するほうが早く、また何かが危険だと気付くよりも早くその危険に反応し始めていて、意識しない不安に影響されているという事です。

思考は脳の中で神経細胞を構成するニューロンがつながるときに起こります。ニューロンは電気を伝えます。つまり、思考とは電気の流れです。

何十億のニューロンがあり、何千兆ものニューロンの繋がりがあり、そこに電気信号が流れて様々なストーリーが生み出されています。

どのようなストーリー、もしくは電気回路に繋がるかはある意味、反射で決まります。

ある人が「コップが半分満たされている」という時でも心配性な人は「半分空になっている」というでしょう。

この違いは考え方の習慣から起こります。という事は、ある程度自分で訓練できる可能性があるという事です。

行き詰まりのストーリーを思い描くより「この困難を克服しよう」という思考に関心を向ければ、困難に注意を払いつつ、困難を克服する助けとなる脳の行動中枢へと繋がる流れを習慣化できるのではないでしょうか。

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